背中が曲がる姿勢(円背・猫背)と転倒リスク:筋トレ・ストレッチ・転倒対策まとめ

【こんな悩みを解決!!】

親が背中が曲がってて転びそうになってて危ない

施設の利用者さんが転びそうで危な

年齢を重ねていくと課題となってくる転倒。

円背になると、体の重心が前にズレてしまい、バランスが取りにくくなります。さらに、視線が下がることで障害物に気づきにくくなったり、筋力や歩行能力の低下も重なり、転倒リスクが大きく高まることがわかっています。

実際に、高齢者を対象とした研究でも、円背が強い人ほど転倒しやすいという結果が報告されています。

転倒を防ぐ上で円背は決して無視できない要素であり、出来る対策を行うことは必須です。

この記事では、

1.円背と転倒の関係(なぜ危ないのか)

2.姿勢改善に効果的な筋トレ・ストレッチ

3.今日からできる転倒予防の工夫

を、わかりやすくまとめて解説します。

「転ばない生活」をつくる・助ける第一歩として、ぜひ最後まで読んでみてください。

円背と転倒リスク

円背の人は転びやすいのか長い年月期間観察した研究があります。

実際に円背の人を3年という長い年月観察していった結果、円背の人は転びやすい・円背が強い人ほど転びやすいという報告がされています。

他の研究でも77歳以上の加齢という条件下では、円背は転倒リスクを高めることが報告されており80代以上の円背は転倒リスクが高くなってしまいます。

年齢を重ねると椎間板(背骨の間のクッション)の水分が抜けて身長は縮んでしまいます。しかし、普段から姿勢を意識した生活を送っている人では背骨はキレイな曲線を描いたままですが、姿勢を意識しない人では背骨の並びが極端に曲がりながら身長が縮んでしまいます。

そのため、背中の並びが曲がらないように普段から姿勢を意識し、筋トレやストレッチで姿勢を保つ身体作りが大切です。

円背を改善する筋トレ・ストレッチ

普段の姿勢は曲がっているけど、背筋を伸ばそうとすると背中が伸びる人は筋力不足や柔軟性不足により機能的に円背な状態。筋トレをして筋力を付ける・ストレッチで柔軟性を維持することできれいな姿勢を取り戻すことが出来ることが期待できます。

また、まだ姿勢はきれいなままであるという人も今から筋力を付けることを意識することで円背を防ぐことに繋がります。

筋トレ

背中が曲がってしまうと頭部は前方に位置してしまい首下がり状態となってしまいます。頭部の位置を正しい位置に戻すためには頸部伸展トレーニングが最適です。首下がりに対する運動メニューは見落とされやすいですが行っておきましょう。

1.背筋を伸ばして座る

2.ゆっくり顎を引き首を後ろに倒す(目線は斜め上に)

3.2の姿勢を維持しゆっくり元に戻す

目安:5~10秒キープ×5~10回

【頸部はデリケート】

頸部はデリケートな部分なので力いっぱい・反動をつけて勢いよくはNGです。

無理なくゆっくり行うことを心がけましょう!!

タオルローイングは肩甲骨を内側に引き寄せて胸郭を広げるストレッチ。円背姿勢は胸郭が狭くなり、肩甲骨が外側に引っ張られてしまいます。タオルローイングで肩甲骨を引き寄せて姿勢を背筋を伸ばしましょう!!

1.椅子に浅く座り背筋を伸ばして座る

2.両手でタオルの両端を持ち、腕を真っすぐに伸ばす

3.肩甲骨を内側に引き寄せるようにタオルを胸に引き寄せる

4.1~2秒キープし元に戻す

5.背筋を伸ばした姿勢のまま1~4を繰り返す

目安:10~15回×2~3セット

手すりを掴み肘が自然と曲がった状態から手すりを下に押し付けることで腹筋群を鍛えることができます。また、息を吐きながら手すりを押し付けることで腹横筋を鍛え、腹圧が自然と高くなると背筋を伸ばした姿勢を維持しやすくなります。

1.手すりを肩幅より少し広めに持って背筋を伸ばして立つ

2.お腹に力を入れながら手すり下に押し付ける

3.2秒ほどキープして元に戻す

4.呼吸を止めずに2・3を繰り返す

目安:10~15回×2~3セット

腹横筋は腹圧を高めて姿勢を保つ大切な筋肉。腹横筋を鍛えることで腰への過剰な負担を抑えながら姿勢を長く保つことが出来るようになるため鍛えることが推奨されています。

腹横筋を鍛える代表的な筋トレがドローイン。ドローインを上手にこなしてきれいな姿勢を保つことが出来るように頑張りましょう!

1.背筋を伸ばしながら座ってリラックスする

2.鼻から息を吸ってお腹を膨らませる

3.口からゆっくり息を吐きながらおへそを背中に引き込むようにお腹を引っ込める

4.お腹を引っ込めた状態のまま浅く自然に呼吸する

5.ゆっくり力を抜いて元に戻す

目安:10~15秒キープ×5~10回×2~3セット

棒体操は背中の筋肉を鍛える数少ない筋トレです。スーパーマンのようなうつ伏せで背中を反らすような筋トレは高齢者には負荷が大きく、円背がある程度進んでしまっている方には難しい筋トレ。

棒体操の筋トレは幅広い人が実施出来る筋トレであり、リハビリでも良く実施されています。

1.棒を持って両手で上に上げる

2.胸を開きながらゆっくり背中を反らす

3.2の状態を10~15秒キープ

4.ゆっくり戻す

目安:10~15秒キープ×5~10回×2~3セット

スクワットは骨盤周りのお尻~太もも前後と幅広い範囲を鍛える筋トレです。お尻~太もも前後の筋トレで足で姿勢を維持する能力が高くなるということは、土台である足腰がしっかりすることで上半身のブレが抑制され筋肉の力が発揮されやすくなってきます。

1.足を肩幅に開いて立ち、つま先はやや外側に向ける

2.両手で手すりを軽く持ち、背筋を伸ばして胸を張る

3.お尻を後ろに引くようにゆっくり腰を落とす

4.太ももと床が平行になるまで落とす

5.かかとで床を押すように、ゆっくり元の姿勢に戻る

目安:10~15回×2~3セット

ストレッチ

円背は大胸筋の筋肉が短縮している状態。円背を改善する上で大胸筋のストレッチは欠かせません。本記事では座って安全に出来る方法をお伝えします。

1.椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばす

2.両腕を後ろに回し手を組む

3.肩甲骨を内側に引き寄せるように腕を後ろに引く

4.胸を開き自然な呼吸を続ける

5.上記の姿勢を20~30秒続ける

目安:20~30秒×2~3セット

小胸筋の筋肉が短縮してしまうと肩が前方に引っ張られてしまい円背が進んでしまいます。小胸筋のストレッチは盲点になりがちですが、小胸筋のストレッチも忘れずに行いましょう!

1.椅子に座り両手をテーブルの上に置く

2.上体をゆっくり前に倒す

3.胸をテーブルに近付けるように小胸筋が伸びるのを感じる

4.上記の姿勢を自然な呼吸を保ちながら20~30秒維持する

目安:20~30秒×2~3セット

1.壁の横に立ち、ストレッチしたい側の腕を肩の高さより少し上に上げる

2.肘を伸ばしたまま手のひらを壁につける

3.上半身を反対側へゆっくりひねる

4.胸の前側が伸びているのを感じながら20~30秒キープ

5.ゆっくりと元の姿勢に戻り反対側も同様に行う

円背の姿勢は腹直筋が短縮している状態。背中を伸ばすには短縮している腹直筋の柔軟性が必要です。

1.うつ伏せに寝る

2.両肘を肩の下につく

3.上体を少し反らして20~30秒キープ

4.ゆっくり戻る

目安:20~30秒×2~3セット

円背でも転倒を防ぐ筋トレ・バランス練習

背筋を伸ばそうと思えば伸ばすことが出来る人は筋トレやストレッチである程度円背を改善することができるかもしれません。しかし、円背姿勢が長く背骨の並びそのものが曲がってしまっている場合、筋トレやストレッチで改善することは難しいです。

筋トレやストレッチでは骨格そのものは変えられないため、円背姿勢でありながらも転倒しないようにするための身体作り・環境作りが必要になってきます。

円背が進まないように今まで紹介した筋トレ・ストレッチも行うことをオススメします

筋トレ

円背姿勢の人は姿勢が固定されており、前後のふらつき・つまづきに対して関節を柔軟に使用しバランスをとることが難しい状態です。そのため、足首から踏ん張って姿勢を保持することが出来るようにするために膝下の筋肉を鍛えることを推奨します。

トゥレイズで鍛えることが出来るのは脛の前にある前脛骨筋です。前脛骨筋を鍛えることで「つま先の引っかかり軽減」・「後ろ向きにバランスを崩した時に耐える」ことに繋がり転倒リスクを軽減させることに繋がります。

1.椅子に浅く座り背筋を伸ばして座る

2.両足を床につけてかかとは床につけたまま

3.つま先をゆっくり上げて、すねの前側に力を入れる

4.1~2秒キープしてゆっくりと元の位置に戻す

目安:15~20回×2~3セット

カーフレイズはふくらはぎの筋肉を鍛える筋トレです。ふくらはぎを鍛えることで「前方にバランスを崩した時に耐える」ことに繋がります。円背は重心位置が前にあるため、ふくらはぎの筋トレで前方への転倒を耐えることが大切です。

1.足を肩幅に開いてまっすぐ立つ

2.ゆっくりとかかとを上げてつま先立ちになる

3.1~2秒キープしてゆっくり下ろす

目安:15~20回×2~3セット

足の指を鍛えることはカーフレイズ同様に「前方へバランスを崩した時に耐える」ことに繋がります。

1.椅子に浅く座る

2.膝を伸ばす

3.足の指を”グー”に握る

4.足の指を”パー”に開く

5.3・4を繰り返す

目安:10~20回×1~3セット

転倒を防ぐためのバランス練習

転倒を予防するには筋トレだけでなく実際にバランス練習をすることも大切。足を左右交互に出すことで前方にバランスを崩した時に足を前に出してバランスをとる練習になります。

最初はゆっくり、慣れてきたら細かく速く行ってみましょう。バランスを崩した時は、とっさに足を出してバランスをとることが要求されます。そのため、バランスを崩した時を想定し速く足を出す練習が必要です。

加齢によって足を速く動かすことが苦手となってくるため、ステップ練習で足を速く出す練習をしましょう。不安な方は手すりを持って安全に行って下さい。

前側へのステップ練習と同様に後ろ側へのステップ練習も行いましょう。後ろにバランスを崩し尻餅をつきそうになった時、足を後ろに出すことでバランスをとることができます。

前側へのステップ練習同様に、バランスを崩した時に咄嗟に足を後ろに出せるように細かく速く出す練習も次第に取り入れていきましょう!転倒が不安な時は手すりを持って安全に行って下さい。

バランス練習は転倒リスクを伴います。手すりなどの支持物が無い場合は一人では行わないようにしましょう!!

転倒を防ぐために気を付けたい生活環境

転倒しないためには身体作りだけでなく、生活環境作りも非常に大切!!

円背は背中が曲がっている状態であり、「目線は下を向き」・「つま先が上がりづらく」・「バランスがとりづらい姿勢」。

つまり、「床に注意が向かないように物はできるだけ床に置かずに綺麗にする」・「段差を無くすようにする(敷居を無くす)」・「濡れ場に滑り止めマットを敷く」「フローリングは滑り止め靴下 or ルームシューズを使用する」などです。

また、「高い所の物を取る時は背中を伸ばす時に後ろへ」・「低い所の物を取る時は前へ」バランスを崩しやすいため、よく使うものは取りやすい高さに置くようにしましょう!

また、どれだけ転倒対策をしても転倒する時は転倒します。万が一転倒したことを想定し、緊急時に助けを呼べるように携帯やアルソックなどの呼び出し機器を首から下げている方もいらっしゃいます。

円背を悪化させてしまう悪習慣

ソファに長時間座る

ソファに座ると楽ですよね!しかし、ソファは座面や背面が柔らかい素材で出来ているため、身体を包み込んでくれる素材ですが、背中が丸くなり円背が進んでしまう状態…

ソファに長時間座ることが習慣化されてしまうと円背が自然と進んでしまうかもしれません。ソファは座って気持ちの良いものですが、生活の大半がソファに座るという習慣は避けておきましょう!

椅子に浅く座ることがクセになっている

椅子に浅く座っていると腰と椅子の間に大きな隙間ができてしまい、腰が曲がってしまう方向に力が働いてしまいます。その結果、腰が曲がることで円背が進んでしまうリスクがあります。

座っている時は、椅子に深く腰掛け、腰と椅子の間に隙間ができないようにしましょう!

まとめ

本記事では円背と転倒リスクについて解説してきました。

加齢に円背が加わることで転倒リスクが高くなり、円背が強いほど転倒リスクが高くなるという報告があります。

円背を防ぐためには首~体幹・骨盤周りと広範囲で適切な筋トレやストレッチを行うことが大切です。既に円背状態でも背中を伸ばそうと思えば伸ばせる機能的な円背では、筋トレやストレッチで改善の見込みがあります。今からでもすぐに筋トレやストレッチを習慣化しましょう!

円背が進んで長い期間が経過し、背骨の並びそのものが円背している構造的な円背では筋トレ・ストレッチで円背そのものの改善は難しいでしょう…しかし、今からでも取り組むことで悪化することを予防することはできます!!

また、円背は前後のバランスが取りづらい状態足首周りの筋肉を鍛えることで前後にふらついた時にバランスを保持し転倒を防ぐことができます。日頃から鍛えておきましょう!!

今日が一番若い日です!

今日から出来ることを取り組んで健康的な生活を維持出来るように努めていきましょう!